
器械根がつくりだすヒラマサの棲家

いすみ市、勝浦市の沖には、「器械根」とよばれる深さ20m前後を中心とした砂場と岩場が入り組んだ特殊な地形の磯棚地帯があり、日本有数どころか世界でも有数の漁場と言われています。それらはかなり広大で120平方キロメートルに渡ります。そこに、プランクトンやイワシを中心とした小魚などが沢山いて、それらを捕食するためヒラマサが集まりやすい地形となっています。
北上する暖流の黒潮と南下する寒流の親潮がぶつかり合う良好な漁場で、その海底には主にカジメ、アラメと言う海藻が生い茂り海中林を作っています。人の背丈ほどの海藻は葉っぱの部分はサザエ・アワビなどの餌になり、空間はイワシやアジなどの小魚、またヒラマサなど魚たちの棲家になります。
このために、沿岸漁業でもいろいろな魚をたくさん獲ることができ、古くから漁業が栄えてきました。「器械根」の名の由来はかつて器械潜水と呼ばれる方法でアワビを漁獲していたことからそう呼ばれるようになりました。
天然礁の数は圧倒的で、ひと流しでなんども根を渡っていくといった地形もあるのが外房の特徴で、ヒラマサ釣りの類稀なる絶好の地形となっています。
春には産卵を迎えるヒラマサたちが集まり、巨大なヒラマサたちが海面を大きな群れを作って泳ぐ姿が度々見ることができ、夏にはシイラを勢いよく追いかけるヒラマサの姿は圧巻。秋にはサンマを追いあちらこちらで跳ねるヒラマサを見ることもあります。冬には岸際にイワシが接岸し、大きなヒラマサが捕食しに集まることがあります。十数年前まではヒラマサを一年中狙うことはありまんでしたが、近年ではタックルや釣り方の進化で一年中狙うターゲットとなりました。